英語で話すと別人みたいになるのは本当だった|研究でわかった理由と活かし方

左にスーツを着た男性が笑っているイラスト、右に外国語で会話をしている男性と女性のイラストが並んでいる。使う言葉によって、表れる表情や話し方が変わることを表している。 脳科学・第二言語習得

英語で話すと別人みたいになるのは本当だった|研究でわかった理由と活かし方

英語学び直したいユーイチ
英語学び直したいユーイチ

英語で話すと、なんだか薄っぺらい自分になる気がして。

英語独学好きの助教S
英語独学好きの助教S

気持ちはわかります。実はその感覚、複数の言語を使う人を調べた研究でくり返し報告されているものなんですよ。

英語学び直したいユーイチ
英語学び直したいユーイチ

僕の英語力が足りないから、じゃないんですか?

英語独学好きの助教S
英語独学好きの助教S

それだけでは説明がつかないんです。この分野の研究は、上手さとは別の要因が関わっていることを積み上げてきました。

英語学び直したいユーイチ
英語学び直したいユーイチ

原因がわかっても、僕の話し方は変わらない気がします。

英語独学好きの助教S
英語独学好きの助教S

多くの人がそう思います。ただ研究の側は、これを直す対象ではなく、仕組みの問題として整理しているんですよ。

英語学び直したいユーイチ
英語学び直したいユーイチ

仕組み、ですか。具体的には何がわかるんですか?

英語独学好きの助教S
英語独学好きの助教S

この記事では、本人の実感から体や脳を測った報告まで、研究を順番に見ていきます。最後は使い道の話までしますね。

結論: 英語で話しているとき、自分が素っ気なく感じられることがある。これは英語力が足りない証拠だと受け取られやすい。しかし研究が示すのは別の話である。複数の言語を使う人にたずねると、切り替えたときに「違う自分になった感じがする」と答える人が多い。同じ人が性格の質問紙に答えても、答えた言語によって点が変わる。強い言葉を聞いたときの体の反応も、母語より第二言語のほうが小さい。起きているのは人としての欠けではなく、まだ感情の重みが乗りきっていない言葉を使っている、というだけである。

この記事でわかること

  • 言語を切り替えると「違う自分になった感じがする」と答える人が多いこと
  • 同じ人でも、答えた言語で性格の質問紙の点が変わること
  • 強い言葉への体の反応が母語より小さく、脳では母語の呼び出しが止まること
  • その性質が得になる場面と、効果を誇張できない理由

1. 「英語の自分は素っ気ない」と感じる人は少なくない

英語学び直したいユーイチ
英語学び直したいユーイチ

そう感じるのが僕だけじゃないって、どうしてわかるんですか?

英語独学好きの助教S
英語独学好きの助教S

2013 年の調査で、複数の言語を使う人にたずねたところ、切り替えると違う自分になった感じがすると答えた人が多かったんです。

日本語なら気の利いた返しができるのに、英語だと短く事務的な受け答えしか出てこない。そう感じて落ち込み、その原因を自分の英語力の低さに求めてしまう人は多い。

出発点になるのは 2013 年の調査である。複数の言語を日常的に使う人に、言語を切り替えたときの感覚をたずねたものだ。

回答を集めると、「違う自分になった感じがする」と答える人が多かった。これは自己報告にもとづく調査だ。自己報告とは、機械で測るのではなく、本人が感じたことをそのまま答えてもらうやり方のことである。

まず確認できるのは、そう感じる人が珍しくないという事実だ。服を着替えると、姿勢や声の出し方まで少し変わることがある。言語の切り替えにも、それに近いスイッチの入り方があるらしい。

感じ方の強さには個人差もあり、その言語をどのくらい使えるか、いつ習い始めたかによって違う。全員が「別人」になるという話ではない。

うまく話せない自分を恥ずかしく思う気持ちについては、「英語が話せない自分が恥ずかしい」を消す方法で扱った。本記事が追うのは、言えてはいるのに自分らしくない、という別の感覚である。

ここまでのまとめ: 言語を切り替えると「違う自分になった感じがする」と答える人が多いと報告されています。その実感は珍しいものではありません。

2. これは「怖い」「緊張する」とは別の話である

英語で話す場面のつらさとして、よく語られるのは緊張や不安のほうだ。声が出ない、頭が真っ白になる、心臓が速くなる。

その現象は、英語を話すと頭が真っ白になる本当の理由で扱っている。そちらは「怖くて言葉が出てこない」という状態の話だ。

本記事が扱うのは、そこから一歩ずれた場所にある。会議で意見は言えた。文法も間違っていない。それなのに言い終わった瞬間、「今のは自分の言い方ではないな」と感じる。言葉は出ているのに、それが自分のものに感じられない状態である。

この区別は大事だ。前者は言葉が出てこない問題、後者は出てきた言葉の手ざわりの問題である。「怖い」のほうは場数と準備で和らげる話になるが、「自分でない感じ」は、そもそも和らげるべき不具合なのかから考え直したほうがよい。

ここまでのまとめ: 本記事が扱うのは、怖くて言えない状態ではありません。言えているのに自分でない感じがする、という別の現象です。

3. 感じているだけではない。測っても点が変わる

英語学び直したいユーイチ
英語学び直したいユーイチ

気のせいじゃないって、どうやって確かめたんですか?

英語独学好きの助教S
英語独学好きの助教S

同じ人に、同じ性格の質問紙を 2 つの言語で受けてもらった 2006 年の研究があります。答えた言語によって点が変わりました。

2006 年の研究では、スペイン語と英語の両方を使う人に協力してもらっている。同じ性格の質問紙を 2 つの言語で受けてもらう設計だ。

性格の質問紙とは、「初対面の人ともすぐ打ち解けるほうだ」といった文に、どのくらい当てはまるかを答える用紙のことである。

結果は、答えた言語によって点が変わった。外向性や協調性の項目で、統計的に意味のある差が出ている。外向性とは人と関わることを好む度合い、協調性とは相手に合わせようとする度合いのことだ。

統計的に意味のある差とは、偶然のばらつきでは説明しにくい差のことをいう。

この研究は、それを文化の枠の切り替えとして説明している。文化の枠の切り替えとは、使う言語に合わせて、その言葉で過ごしてきた場面のふるまい方へ寄っていくことだ。制服を着ると背筋が伸び、部屋着になると気が抜けるのに近い。

なお、この研究の対象はスペイン語と英語を使う人であり、日本語話者を調べたものではない。

ここまでのまとめ: 同じ人でも、答えた言語によって性格の質問紙の点が変わりました。感じているだけではなく、数字にも出ています。

4. 中国語でもドイツ語でも、同じことが起きている

2010 年の研究は、中国語と英語を使う人を対象にしている。英語で話しているときのほうが、自己主張が強く外向的にふるまう傾向が観察された。

2013 年に印刷された別の研究は、ドイツ語とスペイン語を使う人を対象にした。ここでも、使う言語で自分の性格の答え方が変わっている。

つまり 3 つの言語の組み合わせで、同じ向きの結果が出ている。ある結果を別の集団で確かめ直すことを追試と呼ぶ。同じ料理を別の店の厨房で作っても同じ味になるか試す、という確認作業に近い。

言語の切り替えでふるまいが変わる現象は、日本語を使う人に固有の弱点ではない。だから「英語だと自分らしく話せないのは、日本語で育ったせいだ」という受け取り方は当たらない。

ただしいずれも日本語話者を対象にした研究ではなく、言えるのは、この現象が特定の言語ペアに限られないというところまでである。

ここまでのまとめ: スペイン語と英語、中国語と英語、ドイツ語とスペイン語で同じ向きの結果が出ています。特定の言語だけの現象ではありません。

5. 感情の当たりが弱まることは、体の反応で測れている

英語学び直したいユーイチ
英語学び直したいユーイチ

皮膚電気反応って、何を測っているんですか?

英語独学好きの助教S
英語独学好きの助教S

緊張したときに出る細かい汗を拾う測り方です。母語で強い言葉を聞いたほうが反応が大きいと 2003 年の研究は報告しています。

2003 年の研究では、トルコ語と英語を使う人に言葉を聞かせている。強い言葉、叱られる言葉、当たりさわりのない言葉の 3 種類だ。

同時に測ったのは皮膚電気反応である。皮膚電気反応とは、驚いたり緊張したときに出るわずかな汗を、皮膚の電気の通りやすさとして拾う測り方だ。うそ発見器で使う指標といえば近い。

結果は明快だった。母語で聞いたときのほうが、第二言語より体の反応が大きかった。母語とは生まれ育つ中で自然に身についた言葉、第二言語とは後から学んだ言葉のことである。

これは本人の申告ではない。考えとは関係なく、体のほうが小さく反応していた。

言葉が強いほど差が開きやすいことも報告されている。こちらは体ではなく、多くの人に感じ方をたずねた調査だ。母語ならグサッと刺さる言葉が、外国語だと薄い手袋越しに届く、という差である。

つまり「英語だと気持ちがこもらない」という感覚には、体の側の裏づけがある。気合いや心がけの問題ではない。なおこの研究の対象もトルコ語と英語を使う人であり、日本語話者を調べたものではない。

ここまでのまとめ: 強い言葉を聞いたときの体の反応は、母語のほうが大きく、第二言語では小さいと報告されています。

6. 嫌な言葉に触れたとき、脳は母語を呼び出さなくなる

体の反応とは別の角度から、言葉の処理そのものを見た 2012 年の研究もある。参加者は、中国語を母語として英語に堪能な人たちだ。課題は、英語の単語ペアが意味の上で関係するかの判断。その最中に脳の電気的な活動を測っている。

脳の電気的な活動とは、脳の細胞が働くときに出るごく弱い電気を、頭の外から拾ったものだ。合唱を壁の外から聞くようなものと思えばよい。

課題には、参加者に知らせていない仕掛けがあった。単語ペアの一部は、中国語に訳すと音が繰り返しになる組み合わせだった。

結果は 2 つに分かれた。holiday (休日) や theory (理論) のような語では、隠された中国語訳が自動的に呼び出されている反応が出た。英語を見た瞬間に訳が浮かぶのと同じことが、気づかないところで起きていた。

ところが violence (暴力) のような不快な語では、その呼び出しが起きなかった。第二言語で嫌な言葉に触れると、ふだんは自動で走る母語へのつながりが止まっていた。

大事なのは順番である。本人が「英語だから感情を抑えよう」と決めているのではない。意識に上がるより手前で、つながりのほうが先に閉じている。

ここには限定がつく。この実験は「母語で読む条件」と「第二言語で読む条件」を比べたものではなく、感情の強さが母語より弱まる証拠としては使えない。強さの比較は前の節の体の反応の研究が担う。

これで同じ向きの結果が 3 つの層でそろった。本人の実感、質問紙の点、体の反応である。脳の側からは、母語の呼び出しが止まるという別角度の報告が加わる。

だから「英語だと自分が薄い」という感覚は、思い込みでも甘えでもない。実際に起きていることを正確に感じ取っているだけである。

ここまでのまとめ: 第二言語で不快な言葉に触れると、ふだん自動で起きる母語の呼び出しが止まると報告されています。意識より手前の段階です。

7. 「感情が乗りにくい」性質が、得になる場面がある

英語学び直したいユーイチ
英語学び直したいユーイチ

感情が乗りにくいのが、得になることもあるんですか?

英語独学好きの助教S
英語独学好きの助教S

あるんです。同じ問題を外国語で出された人は、言い回しの違いに振り回されにくかったと 2012 年の実験で報告されています。

ここからは反転である。感情が乗りにくいことは、いつでも損とは限らない。

2012 年の研究では、同じ選択問題を母語版と外国語版で出している。同じ中身を「助かる人数」で説明するか「亡くなる人数」で説明するかを変えてあった。

言い回しの違いだけで選び方が変わる現象をフレーミング効果と呼ぶ。同じ肉を「赤身 8 割」と書くか「脂身 2 割」と書くかで、おいしそうに見える度合いが変わるようなものだ。

結果、外国語で問題を出されたグループのほうが、言い回しに振り回されにくかった。これが外国語効果、つまり外国語で考えると判断が言い方の印象に引っぱられにくくなる傾向である。

その後の研究でも、条件によっては同じ向きの結果が確認されている。道徳的な選択を扱った 2014 年の研究では、外国語で出されたほうが感情より計算に寄った選び方をする傾向が出た。道徳的ジレンマとは、どちらを選んでも誰かが困る作り話の問題のことである。

2016 年の研究は、判断の重心が動くことを報告している。外国語で読ませると、結果は良いが動機が怪しい行為への評価は甘くなり、結果は悪いが動機は良い行為への評価は厳しくなった。「どうなったか」に目が行き、「どういうつもりだったか」の重みが下がっている。

これらをまとめた総説 (= それまでの研究を並べ直して全体像を描いた論文) でも、外国語を使う場面では一歩引いて選ぶ傾向がある、と整理されている。

ただし範囲には限りがある。これらはいずれも架空の選択肢を選ばせる実験であり、転職や住宅購入といった実生活の重い決断を検証したものではない。

ここまでのまとめ: 外国語で問題を出されると、言い回しに振り回されにくくなる傾向が報告されています。ただし実験は架空の課題です。

8. ただし、その効果は条件つきである

前の節だけを読むと「英語で考えれば冷静になれる」と受け取りたくなるが、そこは慎重に読む必要がある。

2021 年のメタ分析を見てみる。メタ分析とは、似たテーマの実験をたくさん集めて平均を取り直す方法である。クラスごとの平均点を学年全体でまとめ直す作業に近い。

結果は、外国語で判断が動くこと自体は確かめられた、というものだった。ただし、何が効き方を左右するかは予想と違っていた。外国語の熟達度 (= その言語をどのくらい自由に使えるかの度合い) が高いかどうかで、効果の出方が変わることはなかった。変わったのは、母語と外国語がどれくらい似ているかのほうである。

課題の種類によって、出るものと出ないものがあることを示したのは別の研究である。2018 年の研究は、フレーミング効果以外の判断のクセも調べている。判断のクセとは、条件が同じでも人が一方に偏って選ぶ傾向のことだ。種類によっては、外国語で出しても効果が見られなかった。

道徳的な判断だけに絞ったメタ分析もある。自分が手を下す形のジレンマでは、効果が確認された。ただし出方は人によって変わり、読解の熟達度が高い人ほど計算に寄った選択をしにくかった。同じ薬でも、よく効く人と効きにくい人がいるのと同じである。先ほどのメタ分析では熟達度による差は出ておらず、熟達度が関わるかどうかは研究によって結果が分かれている。

出し方によっても変わる。英語がかなり得意なオランダ語話者を集めた 2019 年の研究は、同じジレンマを 2 通りで出した。文字で読ませた実験では効果が出ず、音声で聞かせた実験では出た。同じ問題でも、紙で読むか耳で聞くかだけで結果が変わっている。

効果量の読み方にも注意がいる。効果量とは、差の大きさを比べやすい形にそろえた数字のことだ。テストの 3 点差も、100 点満点か 10 点満点かで意味が変わる。分野によって相場が違うため、他分野の感覚を当てはめてはいけないと指摘されている。

したがって、英語で考えれば賢い判断ができるようになるとは言えない。言えるのは、条件がそろった場面で言い回しに引っぱられにくくなることがある、という程度である。

似て見える別の話がある。英語を続けると本当に頭が良くなるのかで扱ったのは、複数の言語を使うと頭の働きが底上げされるか、という論点だ。そちらは大規模な検証で効果が縮んでいる。本記事の話は能力の底上げではなく、その場の判断の出方が変わるという別の現象である。

ここまでのまとめ: 外国語効果は課題によって出たり出なかったりすると報告されています。誰に出るか、どう出題するかでも変わります。

9. 明日から使える 3 つのこと

英語学び直したいユーイチ
英語学び直したいユーイチ

じゃあ僕は、何から始めればいいんですか?

英語独学好きの助教S
英語独学好きの助教S

断る言葉の練習からどうぞ。感情の乗り方は固定ではなく、使う時間と場面で変わると複数の研究がまとめています。

ここまでの内容を、日々の練習に落とし込む。

第一に、言いにくいことを言う練習の入口にする。断る、値段の相談をする、相手の意見に反対する。母語だと言い方の重さが先に立って、飲み込んでしまう言葉がある。

感情の重みが乗りきっていない言語のほうが、こうした言葉は口に出しやすい。相手のいる場面から始める必要はない。通勤中の独り言や、送らないメールの下書きで断り文句を書くだけでよい。

第二に、気持ちを乗せたい場面は手札を先に持っておく。謝る、慰める、励ます。この方向では感情が乗りにくい性質が不利に働き、言葉が短くなって素っ気なく届きやすい。

決まった言い回しを先に覚えておくのが早い。I’m really sorry to hear that. (それは大変でしたね) のような型でよい。That must have been hard. (つらかったでしょう) も使える。気持ちが足りないのではなく、型が足りないだけである。

第三に、感情の乗り方は固定ではないと知っておく。複数の研究をまとめた総説では、第二言語での反応の弱まりが固定的な性質ではないと整理されている。いつ習ったか、どこで使ってきたかによって変わる。

その言語を使ってきた時間と場面が増えるほど、重みが乗ってくる方向の知見がまとめられている。新しい靴が足になじむのに時間がかかるのと似ている。

つまり「別人みたい」は、上達すれば消える不具合ではない。英語で過ごした場面が積み重なるにつれて、質が変わっていくものである。英語で話す自分を偽物として否定する必要はない。まだ感情の重みが乗りきっていない、使い分けのきく 2 枚目の顔として扱えばよい。

ここまでのまとめ: 言いにくいことは英語のほうが言い出しやすく、気持ちを乗せたい場面は型を先に用意します。乗り方は使う時間と場面で変わります。

よくある質問

Q. 英語で話すと性格が変わるというのは、本当ですか。
A. 使う言語によって、性格の質問紙の点やふるまいが変わることは複数の研究で報告されています。ただし中の人間が入れ替わるのではなく、同じ人の中で出やすい面が変わるという話です。

Q. 英語だと感情がこもらないのは、英語力が足りないからですか。
A. 使い慣れの度合いも関係しますが、それだけではありません。強い言葉への体の反応そのものが、母語と第二言語で違うと報告されています。脳の側でも、不快な語に触れると母語の呼び出しが止まると報告されています。

Q. これは日本語で育った人だけに起きることですか。
A. いいえ。スペイン語と英語、中国語と英語、ドイツ語とスペイン語の話者でも同じ向きの結果が出ています。ただし、いずれも日本語話者を対象にした研究ではないため、数値をそのまま当てはめることはできません。

Q. 英語で考えると、冷静で良い判断ができるようになりますか。
A. そこまでは言えません。複数の実験をまとめると効果自体は確認されていますが、課題によって出たり出なかったりすると報告されています。読解の熟達度が高い人ほど効果が出にくいという報告もあります。

Q. この「別人みたい」な感じは、いつか消えますか。
A. 消えるというより、変わっていくという表現が近いです。感情の乗り方は固定ではなく、使ってきた時間と場面によって変わると整理されています。

まとめ

英語で話すと自分が素っ気なく、別人のように感じる。この感覚は長く、英語力不足の証拠として語られてきた。

研究が示していたのは違う話だった。言語を切り替えたときに「違う自分になった感じがする」と答える人は多い。同じ人が答えても、用紙の言語によって性格の質問紙の点は変わる。同じ向きの結果は中国語と英語、ドイツ語とスペイン語でも出ている。

感情の当たりが弱まることは、体の反応としても測られている。脳の側でも、不快な語に触れたとき母語の呼び出しが止まると報告されている。どちらも意識より手前で起きており、心がけで直す種類の話ではない。

この性質は損なだけではない。言い回しに振り回されにくくなる場面が報告されており、断る・交渉するといった言いにくい言葉の入口にもなる。ただし効果の出方は条件しだいで、誰にどう出るかも変わる。

感情の乗り方は固定ではなく、使ってきた時間と場面で変わっていく。英語で話す自分は、欠けた自分ではない。まだ重みが乗りきっていない、もう 1 枚の顔である。

参考文献

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最終更新日: 2026-09-02

著者: 中村 拓(Taku Nakamura)(greencafe 編集部 編集責任者・非ネイティブ話者)。公開された 19 件の研究エビデンス(tier 1=19 件)を横断分析・再構成した。

画像: いらすとや (https://www.irasutoya.com/) より

この記事を編集した人

中村 拓(Taku Nakamura)のポートレート

(編集責任者 / 応用言語学・第二言語習得 エディター(非ネイティブ話者))

応用言語学のバックグラウンドを持つ英語学習分野のエディターで、査読済み SLA 論文・応用言語学ジャーナル・公的機関資料の横断要約と再構成を担当する編集責任者です。非ネイティブ英語話者で、大人の英語学び直しを研究の視点で編集しています。

編集した記事: 108 本

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