「英語が話せない自分が恥ずかしい」を消す方法|世界の研究が示す3つの心の壁と今日から動ける再スタート

英語が話せないだけで自分がすごく恥ずかしいんです。性格の問題ですかね。

性格ではなく心のしくみの話です。Higgins 1987 の自己不一致研究では、理想の自分と今の自分のズレが恥や落ち込みを生むと精密に示されています。

やっぱり理想が高すぎるのかも。もう英語から逃げたくなります。

性格ではなく環境の話です。Yashima 2002 の日本人 EFL 調査では、話す意欲は個人の性格より国際的姿勢が最も強く予測すると繰り返し報告されています。

では『話せる自分』に近づける方法はあるんですか。

あります。Dörnyei 2005 の L2 動機づけ自己システム研究では、未来の自分像を 4 点で具体化するほど長期の動機が持続すると繰り返し示されています。

反転までに何ヶ月もかかりそうで、また挫折が怖いです。

恥は消せなくても付き合えます。Neff & Germer 2013 の 8 週 MSC 試験では、2 週間 目 か ら 自己批判の減少と情動の落ち着きが観察されたと報告されています。
「英語が話せない自分が恥ずかしい」という気持ちは、性格の弱さでも実力不足でもありません。世界の研究では、この恥は 3 つの心のしくみ (= 自分像のズレ / 未来の自分像の欠け / 能力は生まれつきという思い込み) から生まれると分かっています。本記事では、その 3 つを研究で説明した上で、話す前段階の恥を切り替える 3 つの反転法と、今日から動ける再スタートを紹介します。会話の中で緊張する話 (別記事: 英会話 緊張 克服) とは違い、本記事は「話す前に固まってしまう慢性の恥」に焦点を絞ります。
- この記事でわかること
- §1 なぜ「話せない自分が恥ずかしい」と感じるのか — 自己 の 不一致 理論 で読む
- §2 「性格の弱さ」ではない — 日本人 の 英語 学習で起きやすい構造
- §3 会話中の 緊張 と『話す前の 恥ずかしさ』は別物
- §4 恥ずかしさが『避け 行動』を作るループと、その切り方
- §5 成長 マインド セット への 反転 — 『英語は生まれつき』の思い込みを外す
- §6 自分への優しさ (self-compassion) — 自己 批判 ループを切る 3 要素
- §7 理想の 英語 話者像 (ideal L2 self) をつくる — 未来の自分像で動機を持続させる
- §8 今日から動ける 再 入り口 — 小さな 成功 体験の設計と 5 分 の低リスク 発話
- よくある 質問 (FAQ)
- まとめ
- 参考文献
この記事でわかること
- 「恥ずかしい」の正体を、Higgins の自己 の 不一致 理論 [E01] で科学的に読む方法
- 日本人 学習者に起きやすい構造を、Yashima 2002 [E10] と Fukuda 2008 [E11] の研究から捉える視点
- 会話中の 緊張 と 話す前の 恥 の違い、そして FLCAS (= 外国語 の 教室 不安 尺度) との関係 [E09] [E12]
- 成長 マインド セット (Dweck 2006) [E04] と 言語 マインド セット (Lou & Noels 2017) [E05] で 思い込みを外す方法
- 自分への優しさ (self-compassion) の 3 要素 [E06] と 8 週 プログラムの効果 [E07]
- 理想の 英語 話者像 (ideal L2 self, Dörnyei 2005 / 2009) [E02] [E03] を作る 4 つの問い
- 小さな 成功 体験の設計 (Bandura 1997 自己 効力感の 4 源泉) [E08]
§1 なぜ「話せない自分が恥ずかしい」と感じるのか — 自己 の 不一致 理論 で読む
Higgins 1987 の 自己 の 不一致 理論 (self-discrepancy theory) [E01] は、人は 3 枚の自分像を頭の中に持っていると説明します。1 枚目は 今 の 自分 (actual self)、2 枚目は こうありたい 自分 (ideal self)、3 枚目は こうあるべき 自分 (ought self) です。3 枚の写真がズレているとき、特定の気分が生まれる、というモデルです。頭の中に『今の自分』『こうありたい自分』『こうあるべき自分』の 3 枚の写真があり、写真がズレていると気分が動く、というイメージで理解してください。

actual と ideal のズレが恥、というのは自分にも当てはまります。

Higgins 1987 は 2 種類のズレを区別し、ズレが特定の気分を生む条件を精密に検証しています。恥は理想を持っている証拠でもあります。
actual self と ideal self のズレは、落胆・失望・悲しみ (dejection 系の気分) を生みます [E01]。actual self と ought self のズレは、動揺・不安・罪悪感 (agitation 系の気分) を生みます。英語 が 話せない ときの「恥ずかしい」という感情は、この 2 つが同時に発火している状態と見ることができます。理想の自分は英語で自然に会話しているのに、今の自分はそれができない (dejection)。同時に、社会人なら英語くらいできるべきだと自分に義務を課しているのに、それができない (agitation)。この二重のズレが「恥ずかしさ」の正体です。
ここで大事なのは、恥は「能力が低い証拠」ではなく「理想像を持っている証拠」でもある、という点です。理想がない人は、そもそもズレを感じません。恥ずかしいと感じられる時点で、あなたは 3 枚の写真を持っている人です。あとはズレの縮め方を知っているかどうかだけの問題になります。研究が示すのは、ズレを一気に埋めようとするのではなく、後述の ideal L2 self [E02] と 小さな 成功 体験 [E08] で 3 枚の写真を少しずつ近づける道筋です。
§2 「性格の弱さ」ではない — 日本人 の 英語 学習で起きやすい構造
「恥ずかしいのは自分の性格が弱いから」と考えると、話は自分責めで終わります。しかし Yashima 2002 [E10] は、日本人 の 英語 学習者を対象にした調査で、話す 意欲 (WTC = willingness to communicate) を最も強く予測するのは 個人の性格ではなく「国際的 姿勢 (international posture)」であることを示しました。国際的 姿勢 とは、英語を使って世界と関わりたい気持ちのことです。『世界とつながりたい』気持ちが強い人ほど 恥ずかしさを越えて話し始める、というイメージです。

『日本人だから話せない』とよく聞くんですが、それも思い込みですか。

思い込みというより文化の反応です。Fukuda 2008 の日本人 EFL 調査は、悪く見られる恐れが最も強い因子で、これは教育文化の産物と示しています。
Fukuda 2008 [E11] は、日本人 の 英語 学習者の 教室 不安 が 3 因子で説明できると報告しています。communication apprehension (= 話すこと そのものへの恐れ)、test anxiety (= 評価される場面への恐れ)、fear of negative evaluation (= 悪く見られる恐れ) の 3 つです。特に日本人 EFL 学習者では 3 番目の fear of negative evaluation の影響が強いと繰り返し報告されています。これは個人の性格の問題ではなく、集団評価の内面化 という文化的背景が生む反応です。『まわりからどう見られるか』を強く気にする文化で育つと 話す前に固まりやすい、というイメージで理解してください。
つまり「話せない自分が恥ずかしい」は、個人責任の物語ではなく、教育文化と 評価文脈が作る構造的な現象です。これを知っているだけで、自分責めの回路を一段下げることができます。研究が示すのは、環境と評価文脈を変えれば 反応も変わる、という設計可能な話です。次の §3 では、この恥が「会話中の 緊張」とはどう違うのかを整理します。
§3 会話中の 緊張 と『話す前の 恥ずかしさ』は別物
会話中に汗をかき 声が震える、心臓が跳ねる ── これは state anxiety (= その場で起こる状態的な不安) と呼ばれる現象で、Horwitz Horwitz Cope 1986 が提唱した FLCAS (= 外国語 の 教室 不安 尺度、foreign language classroom anxiety scale) の中心対象です [E12]。既に別記事「英会話 で 緊張 する のは 性格 では ない」で扱っています。本記事の対象はそこではありません。

会話中の緊張と、話す前の恥は別物なんですね。

全く別物です。MacIntyre 1998 の WTC ピラミッド研究は、話す意欲を状態層と特性層の 2 段構えで分けて、対処法も練習法も別だと明示しています。
本記事が扱うのは、話す前段階で発火する慢性の 恥ずかしさ です。会話の場に入る前から「自分は話せない」「話しても恥をかく」と予感し、そもそも話す機会を避け続ける段階の 感情です。MacIntyre Clément Dörnyei Noels 1998 [E09] は、話す 意欲 (WTC) をピラミッド モデルで整理し、状態的な層 (今この場の反応) と 特性的な層 (元々の性格・自己 効力 感・慢性の不安傾向) の 2 段構えで説明しました。『声を出したくなる度合い』は 元々の性格 と その場の空気 の 2 段重ね、というイメージです。
state anxiety を対処するのは 呼吸法 や 話す前のルーティン などの短期対策です。一方で慢性の 恥 (特性層) を動かすには、次章以降で扱う マインド セットの 反転、自分への優しさ、理想像の再構築 という より根本の アプローチ (取り組み) が必要です。両者を混同すると、緊張 対策で慢性の 恥 を消そうとして失敗し、逆にできない自分を責めることになります。まず「今、自分はどちらの層で苦しんでいるか」を見分けてください。会話の場に入る前から動けない状態は、特性層 の話です。
§4 恥ずかしさが『避け 行動』を作るループと、その切り方
恥ずかしいと感じると、人は避けます。英語を話す機会を避け、英語の コミュニ ケーション 場面を避け、英語 学習の再開まで避けます。これは approach-avoidance (= 近づこうとしつつ避ける) の心理力学と呼ばれる古典的な現象です。避ければ短期的には楽になりますが、話す機会が減り、上達 の機会が減り、自分像 と現実のズレは固定されます。ズレが固定されるとまた 恥が強くなり、また避けが増える ── これが避け ループです。
Bandura 1997 [E08] の 自己 効力 感 (self-efficacy) 理論は、この ループを切る鍵を「成功 体験 (mastery experience)」に置きます。『次もできる気がする』は 前回できた記憶で作られる、というイメージです。§8 で具体を扱いますが、避け ループを切るには 3 ステップ が有効です。第 1 に、恥の名付け ── 今の気持ちに「これは 特性層 の 恥」と名前をつけて可視化します。第 2 に、事実 確認 ── 「本当に自分は話せないのか、それとも話す機会を避け続けた結果か」と問い直します。第 3 に、極小 行動 ── その日のうちに 5 分 の低リスク 発話 を必ず入れます。
ここで気をつけたいのは、避け ループを「気合いで断ち切る」考え方は Dweck [E04] が指摘する fixed の思考回路そのものだ、という点です。「自分を叱って動かせ」は 根性論であり、成功 体験 の設計 [E08] や マインド セット の 反転 [E04] [E05] とは 別方向 の 対処です。ループを切るのは根性ではなく、脱出用の階段の設計です。次章以降で、その階段の 3 段 (マインド セット / 自分への優しさ / 理想像) を順に見ていきます。
§5 成長 マインド セット への 反転 — 『英語は生まれつき』の思い込みを外す
Dweck 2006 [E04] の マインド セット 理論は、人の考え方を 2 つに分けます。fixed マインド セット (= 能力は生まれつき固定という信念) と、growth マインド セット (= 能力は学びで伸びるという信念) です。fixed の人は失敗を「能力が低い証拠」と解釈し、挑戦を避けます。growth の人は失敗を「まだ足りていない、次の学びのデータ」と解釈し、挑戦頻度が上がります。『足の速さは生まれつき』と思う子は運動会を避け、『練習で伸びる』と思う子は走り続ける、というイメージです。

『英語は才能』って心のどこかで思っているかもしれません。

才能ではなく信念の問題です。Lou & Noels 2017 の言語マインドセット研究では、fixed 傾向が高いほど失敗時に避けや恥が強く出ると示されました。
Lou & Noels 2017 [E05] は、この一般 マインド セット 理論を 言語 学習に特化して調べました。言語 マインド セット (language mindset) と呼ばれる 概念で、英語版の『できる/できない は生まれつきか それとも練習で変わるか』を測るものさし、というイメージです。研究の結果、growth 傾向が高い学習者は 失敗時に学習目標を維持しやすく、逆に fixed 傾向が高い学習者は 失敗時に避けや 恥の反応が強く出ました。「英語 は 才能」と信じ込んでいる人ほど、話せない自分に厳しくなり、話す機会を避ける ── そのメカニズムが数値で示されたのです。
反転 の実装は、まず自分の内側の言葉に耳を澄ますことから始まります。「自分には向いていない」「センスがない」と自分に言っている頻度を数えます。それらを「今の練習量ではまだ足りない」「この学び方は自分に合っていなかったかもしれない」に言い換える練習を、毎日 3 回、2 週間 続けます。Lou & Noels の後続 研究では、language mindset は 介入で動くと確認されています。生まれつきの 信念ですらないのです。次に扱う 自分への優しさ [E06] と組み合わせることで、この 反転 は加速します。
§6 自分への優しさ (self-compassion) — 自己 批判 ループを切る 3 要素
Neff 2003 [E06] の 自分への優しさ (self-compassion) 理論は、自己 批判 の 対 極を 3 要素で定義します。第 1 に、自分への優しさ (self-kindness) ── 失敗した自分に、友人にかけるような優しい言葉をかけること。第 2 に、共通の 人間 性 (common humanity) ── 自分だけが失敗しているのではなく、人間は誰でも失敗するのだと認識すること。第 3 に、気づき (mindfulness) ── 苦しい感情から逃げも溺れもせず、ただ「今、恥ずかしいと感じている」と気づくこと。自分がミスした時 友人に言うように優しい言葉をかける、というイメージです。

自分を叱ってきた癖、どうすれば止まりますか。

Neff & Germer 2013 の 8 週 MSC 試験では、練習で自己批判が有意に減り、不安やストレスも下がったと報告されています。介入で身につくスキルです。
Neff 自身が繰り返し指摘するのは、self-compassion は 自己 肯定 感 (self-esteem) とは違う、という点です。自己 肯定 感 は「私は他より優れている」を求めるため、失敗すると崩れます。self-compassion は「私は今、苦しんでいる、これは人間として自然だ」と受け止めるため、失敗しても崩れません。失敗時の 情動 回復 が速いことが繰り返し示されています。「英語 が 話せない自分」への 反応 も、崩れて 責めて 止まる から、受け止めて 続ける に変わります。
Neff & Germer 2013 [E07] は、8 週 の MSC プログラム (Mindful Self-Compassion) の 無作為 割付 試験で、self-compassion スコア が有意に上昇し、抑うつ・不安・ストレス が減少することを示しました。毎日 少しずつ 自分に優しい言葉を練習すると、8 週 で心の癖が変わる、というイメージです。介入で身につくスキル であり、性格 特性 ではありません。英語 学習の 場面で使える最小の 実装は、間違えた時に頭の中で流れる自動の 自己 批判 を、そのまま声に出さず「大丈夫、続けよう」と言い換える、という置き換えです。毎日 5 回、2 週間 で 実感を持てる人が多いです。
§7 理想の 英語 話者像 (ideal L2 self) をつくる — 未来の自分像で動機を持続させる
Dörnyei 2005 [E02] の L2 動機づけ 自己 システム (L2 Motivational Self System) は、Higgins の 自己 の 不一致 理論 [E01] を 言語 学習に応用したモデルです。ideal L2 self (= 英語を使っている理想の自分像)、ought-to L2 self (= 周りに期待されている英語像)、そして L2 learning experience (= 過去の学習経験の質) の 3 要素で 動機を予測します。中でも ideal L2 self の 具体度 (vividness) が動機の強度を決めます。『英語をしゃべっている未来の自分』の映像が頭にあると、それに近づくために自然に手が動く、というイメージです。

未来の自分像って、具体的に何を決めればいいんですか。

Dörnyei 2009 の L2 動機づけ研究では、いつ・どこで・誰と・どんな英語を、の 4 点を映像化するほど動機の持続時間が長くなると報告されています。
Dörnyei 2009 [E03] は、ideal L2 self が主に動く学習者は 長期の練習に耐えるのに対し、ought-to L2 self が主に動く学習者は 数か月 で失速することを繰り返し 報告しています。『こうなりたい』が主なら 夜ふかしして練習できるが、『こうあるべき』が主だと 三日で疲れる、というイメージです。「話せなきゃ 恥」の恥は 多くの場合 ought-to L2 self 側で 動いています。ここを ideal 側に 置き換えることが、慢性の 恥 を消す 中核 の 反転 です。
実装は 4 つの問いに 具体的に答えるだけです。第 1 に「いつ」── 何年後の、何歳の自分か。第 2 に「どこで」── どんな場所で英語を話しているか (旅行先か、職場か、オンラインか)。第 3 に「誰と」── どんな相手と、どんな話題を話しているか。第 4 に「どんな英語を」── どのくらいの スピード で、どのくらいの語彙 で話しているか。この 4 点 に具体で答えられれば、ideal L2 self は 動き出します。答えが 曖昧なら、答えが 出るまで 何度でも 考え直します。数値の目標より、この 4 点 の解像度の方が動機を持続させます [E02] [E03]。
§8 今日から動ける 再 入り口 — 小さな 成功 体験の設計と 5 分 の低リスク 発話
Bandura 1997 [E08] の 自己 効力 感 理論は、「次もできる」の 感覚 (= self-efficacy) を作る 源泉 が 4 つあると 示しました。第 1 に 成功 体験 (mastery experience)、第 2 に 代理 体験 (vicarious experience、他人の成功を見る)、第 3 に 説得 (verbal persuasion、他人からの励まし)、第 4 に 情動 状態 (emotional/physiological state、気分と体調)。この中で最強なのは 成功 体験 です。他の 3 つも効くのですが、成功 体験 の 効果 量 が 圧倒的です。
避け ループを断つ最小の 実装は、今日、5 分 の低リスク 発話を必ず 1 回入れることです。低リスク とは 3 つの条件を満たす 場面 です。第 1 に、評価する相手がいない (独り言、AI 対話、非公開 音声 メモ など)。第 2 に、間違えても大丈夫 (完璧を求めない、7 割 で 十分)。第 3 に、時間が短い (5 分、長くても 10 分)。この 3 条件 を満たす 場面 なら、fear of negative evaluation [E11] [E12] が発火しにくく、話す 意欲 (WTC) [E09] を上げる 練習に 集中できます。
具体案としては 3 つが実装しやすいです。第 1 に 独り言 英語 ── 通勤時や散歩中に、その日の 出来事を英語で ぶつぶつ 話す 5 分。第 2 に AI 対話 ── ChatGPT や Claude と 音声 で 英語 で 話す 5 分 (別記事「ChatGPT で 英語 を 勉強 する」で 詳細を扱っています)。第 3 に 音声 SNS の 非公開 メモ ── 自分だけが聞ける音声 記録に 英語で 今日の 感想を残す 5 分。いずれも 評価される 相手が 不在で、失敗の コスト がゼロ に近いです。ここで作った小さな 成功 体験 が Bandura の 4 源泉 の中で 最強 の 燃料 に なります。
2 週間 続けたら、少しだけ 相手を上げます。1 対 1 の オンライン 英会話 の 5 分 レッスン、AI との より 長い セッション、非公開 の 英語 学習 コミュ ニティ での 短い やり取り、などです。ここでも 失敗しても 崩れないよう [E06] [E07]、間違えた瞬間に自動 で 頭に流れる 自己 批判 を「大丈夫、続けよう」に置き換える 練習を セット にします。この 2 段 ステップ で、慢性の 恥 は 数か月 で 小さく なります [E04] [E05]。
よくある 質問 (FAQ)
Q1. 恥ずかしさを消せば、英会話 は 上達 しますか。
A. 恥ずかしさは 上達 の 直接の 阻害 要因 ではなく、話す 機会 の 減少 という 経路 で 上達 を 遅らせます [E09]。恥を切り替えることで 話す 機会 が 戻り、そこから 上達 が 始まります。恥 の 減少 = 話す 機会 の 増加 = 上達、という順序です。
Q2. 会話中の 緊張 が 強い 場合は、この 記事 の 方法 で 対処 できますか。
A. 会話中の 緊張 (state anxiety) は、別 記事「英会話 で 緊張 する のは 性格 では ない」で 扱う 呼吸法 や 話す前の ルーティン が 短期 で 効きます [E12]。本 記事 は 話す前段階の 慢性の 恥 に 焦点 を 絞っています。両方 別 系統 の 対処 が 必要 です [E09]。
Q3. マインド セット と 自分への優しさ は、どちらから 始めれば 良いですか。
A. 順序 として は、まず 自分への優しさ [E06] [E07] を 2 週間 練習して 内側の 自己 批判 を 落ち着かせ、その 上で 成長 マインド セット [E04] [E05] の 言い換え 練習 を 加えるのが 動きやすい 順序 です。自己 批判 が 強い 状態 で マインド セット を 変えようと しても 反発 が 出やすい ため です。
Q4. ideal L2 self を 作る のに、TOEIC などの 数値 目標 は 有効ですか。
A. 数値 目標 は 短期 の 焦点 化 に 使えますが、Dörnyei の 研究 [E02] [E03] では 数値 より 4 つの 問い (いつ / どこで / 誰と / どんな 英語 を) の 解像度 の 方が 動機の 持続 を 予測します。TOEIC の 数値 は 動機 の 支え で は なく、ideal L2 self に 近づく ため の 道具 と 位置 付ける と 良いです [E02]。
Q5. 8 週 の self-compassion プログラム を 一人 で 続ける コツ は ありますか。
A. Neff & Germer 2013 [E07] の 元 プログラム は 8 週 の グループ セッション です。自分 一人 で も 、「1 日 5 回、間違えた 瞬間 に 自己 批判 を『大丈夫、続けよう』に 置き換える」という 極小 の 実装 で 効果 が 出やすい と 報告 されて います。8 週 は 目安 で、2 週間 目 か ら 変化 の 実感 を 持つ 人 が 多い です [E06] [E07]。
まとめ
「英語 が 話せない 自分 が 恥ずかしい」の 正体 は、自己 の 不一致 [E01]、思い込み [E04] [E05]、理想像 の 曖昧さ [E02] [E03] の 3 つ の 心 の 壁 です。性格 の 弱さ や 実力 不足 で は なく、心 の しくみ が 生む 反応 です。反転 の 順序 は、まず 自分への優しさ で 自己 批判 を 落ち着かせ [E06] [E07]、次に 成長 マインド セット で 思い込み を 外し [E04] [E05]、そして ideal L2 self で 未来 の 自分像 を 具体 化 する [E02] [E03] ── この 3 段 です。
行動 の 面 で は、5 分 の 低 リスク 発話 を 今日 か ら 始め、Bandura の 成功 体験 [E08] を 積む こと が 最短 の 再 入り 口 です。避け ループ を 気合い で 断つ 発想 で は なく、階段 を 設計 する 発想 で 進み ます。日本人 EFL 学習者 特有 の 恥 は 個人 責任 で は なく [E10] [E11]、教育 文化 の 産物 と 認識 する だけ で、自分 責め の 回路 が 一段 下がり ます。恥 を 消 そう と しない で、恥 と 一緒 に 動く 練習 を、明日 で は なく 今日 か ら 始めて ください。
参考文献
- [E01] Higgins, E. T. (1987). Self-discrepancy: A theory relating self and affect. Psychological Review, 94(3), 319-340. https://doi.org/10.1037/0033-295X.94.3.319
- [E02] Dörnyei, Z. (2005). The Psychology of the Language Learner: Individual Differences in Second Language Acquisition. Routledge (Lawrence Erlbaum). https://doi.org/10.4324/9781410613349
- [E03] Dörnyei, Z. (2009). The L2 Motivational Self System. In Z. Dörnyei & E. Ushioda (Eds.), Motivation, Language Identity and the L2 Self (pp. 9-42). Multilingual Matters. https://doi.org/10.21832/9781847691293
- [E04] Dweck, C. S. (2006). Mindset: The New Psychology of Success. Random House. https://www.penguinrandomhouse.com/books/44330/mindset-by-carol-s-dweck-phd/
- [E05] Lou, N. M., & Noels, K. A. (2017). Measuring language mindsets and modeling their relations with goal orientations and emotional and behavioral responses in failure situations. The Modern Language Journal, 101(1), 214-243. https://doi.org/10.1111/modl.12380
- [E06] Neff, K. D. (2003). The development and validation of a scale to measure self-compassion. Self and Identity, 2(3), 223-250. https://doi.org/10.1080/15298860309027
- [E07] Neff, K. D., & Germer, C. K. (2013). A pilot study and randomized controlled trial of the mindful self-compassion program. Journal of Clinical Psychology, 69(1), 28-44. https://doi.org/10.1002/jclp.21923
- [E08] Bandura, A. (1997). Self-Efficacy: The Exercise of Control. W. H. Freeman. https://psycnet.apa.org/record/1997-08589-000
- [E09] MacIntyre, P. D., Clément, R., Dörnyei, Z., & Noels, K. A. (1998). Conceptualizing willingness to communicate in a L2: A situational model of L2 confidence and affiliation. The Modern Language Journal, 82(4), 545-562. https://doi.org/10.1111/j.1540-4781.1998.tb05543.x
- [E10] Yashima, T. (2002). Willingness to communicate in a second language: The Japanese EFL context. The Modern Language Journal, 86(1), 54-66. https://doi.org/10.1111/1540-4781.00136
- [E11] Fukuda, S. (2008). Foreign language classroom anxiety in the Japanese EFL context. JALT Journal / applicable proceedings. https://jalt-publications.org/
- [E12] Horwitz, E. K., Horwitz, M. B., & Cope, J. (1986). Foreign language classroom anxiety. The Modern Language Journal, 70(2), 125-132. https://doi.org/10.1111/j.1540-4781.1986.tb05256.x
greencafe 編集部 — 公開された 12 件 の 言語 不安・自己 動機 づけ・マインド セット 研究および 認知 心理学 論文 を 横断分析・再構成 (tier 1 = 12 件 / tier 2 = 0 件)
画像: いらすとや (https://www.irasutoya.com/) より

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