日本人の英語の訛りは恥ずかしい?|聞き手はどう感じるかを研究でやさしく解説

日本人っぽい訛りが恥ずかしくて、会議でつい黙っちゃうんです…

気持ちはわかります、多くの人がそうです。実は発音の研究では、話す側の不安とは別に、聞き手が実際にどう受け取るかも調べられているんですよ。

でも訛りがあると、相手に信用されないって聞きますよね?

その不安もよく聞きます。社会心理学 (= 人が周りの人をどう見るかを調べる学問) の研究でも、訛りと聞き手の判断の関係は調べられてきました。

研究で分かっても、僕の訛りが直るわけじゃないですよね?

そう思いますよね。この記事は訛りを消す練習法ではありません。研究は、訛りが残ったまま話したとき相手の側で何が起きるかを見ているんです。

じゃあ、まず何から知ればいいんですか?

この記事では 12 本の研究を、聞き取り・信用・慣れの順に解説していきます。一つずつ見ていけば、恥ずかしさの正体が整理できますよ。
結論: 研究では、訛りが強く聞こえても、話の中身はきちんと聞き取れていた例が多いと報告されている。訛りのある話し手の文が本当らしく思われにくかった実験はあるが、やり直した研究では結果が割れている。聞き手の耳は聞くうちに訛りに慣れていくことも報告されている。恥ずかしさで黙るより、話して相手に慣れてもらう方が研究の見立てに合う。
この記事でわかること
- 「訛り」と「伝わりやすさ」が、研究では別々の物差しで測られていること
- 「訛りがあると信用されない」という実験の条件と、やり直した研究の結果
- 聞き手の耳が、訛りのある英語にどれくらい早く慣れるのか
- 音声認識が聞き取れないことを「人に通じない」と同じに考えてよいのか
「訛りが恥ずかしい」を 3 つの物差しに分けてみる
会議で英語を話そうとして、日本人っぽい発音が気になり、口を閉じてしまう。「訛りがあると信用されないのでは」という不安もよく聞く。
この記事は、訛りを消す練習法の記事ではない。訛りが残ったまま話したとき、聞き手の側で何が起きるのかを研究で見ていく。
まず言葉をそろえておく。発音の研究では、次の 3 つを別々の物差しで測ることが多い。
- 訛りの強さ (accentedness) = どれくらい外国っぽく聞こえるか。手紙で言えば「字のクセの強さ」
- 伝わりやすさ (intelligibility) = 実際に何と言ったか聞き取れたか。手紙の字を正しく読めたか
- 聞き取りの楽さ (comprehensibility) = 聞き取るのにどれくらい苦労したか。読むのが楽だったか
字にクセがあっても、読める手紙は読める。クセの強さと読めるかどうかは、別々に測れる。
ここまでのまとめ: 研究では、訛りの強さ・伝わりやすさ・聞き取りの楽さを別々の物差しで測る。「訛り」と「通じない」は同じ意味ではない。
訛りが強く聞こえても、話は聞き取れていた

訛りが強いと、やっぱり通じないんですよね?

多くの人がそう思います。でも 1995 年の研究では、訛りが強いと採点された発話でも、中身はきちんと聞き取れていた例が多かったんです。
最初に、Munro と Derwing の 1995 年の研究を見る。訛りと伝わりやすさを別々に測った、発音研究の土台のような研究だ。
英語を母語とする聞き手 18 人が、英語の即興スピーチの一部を聞いた。話し手は、中国語 (北京語) を母語とする 10 人と、英語を母語とする 2 人だった。
聞き手は聞いた発話を書き取り、訛りの強さと聞き取りの楽さを 9 段階で採点した。
9 段階の採点は、通知表の 5 段階をもっと細かくしたものと考えるとよい。
結果は、発話は全体としてよく聞き取れており、聞き取りの楽さの評価も高めだった。一方で、訛りの評価は人によって大きくばらつき、「訛りが強い」側の評価もかなりあった。
つまり、「訛りが強い」と思われながらも、中身はきちんと伝わっていた発話が多かったことになる。
訛りの採点は、ほとんどの聞き手で発音や文法の誤りと結びついていた。だが訛りと聞き取りの楽さ、訛りと聞き取れた度合いが結びついた聞き手は、それより少なかった。
著者たちは、強い訛りが必ずしも聞き取りやすさを下げるわけではない、とまとめている。
ただし話し手は中国語を母語とする人で、日本人の英語でも同じ形になるかはこの研究だけでは言えない。
では、どの音が伝わりやすさを左右するのか。その順番は英語の発音が通じない理由と、先に直す音の優先順位で扱っているので、練習の中身はそちらに任せる。
ここまでのまとめ: 訛りが強いと採点されても、話の中身は聞き取れていた例が多かった。訛りの強さと伝わりやすさは同じではない。
訛りがあると、話が本当らしく聞こえにくい? という実験

えっ、訛りだと話を信じてもらえない実験があるんですか?

あります。ただし雑学の文を読み上げた実験です。原因は聞き取りの手間、つまり小さな字の文を読むときのような疲れだと説明されています。
よく引き合いに出されるのが、Lev-Ari と Keysar の 2010 年の実験だ。訛りが話の「本当らしさ」の判断を変えるかを調べた、社会心理学 (= 人が周りの人をどう見て、どう判断するかを調べる学問) の実験である。
聞き手は、「アリは眠らない」のような雑学の文を聞き、それが本当かどうかを判断した。
すると、非母語話者が話したときの方が、母語話者が話したときより「本当ではない」と判断されやすかった。
非母語話者とは、その言葉を母語としない人のことだ。日本人が話す英語は、まさにこれに当たる。
著者たちの説明では、訛りのある発話は聞き取るのに手間がかかり、その「処理のしにくさ」が本当らしさの低さにつながった。処理とは、耳に入った音を頭の中で言葉に変える作業のことだ。
小さな字でぎっしり印刷された文は、読むだけで疲れて、なんとなく怪しく感じる。それの耳版だと考えると分かりやすい。
聞き手に「聞き取りにくいのは訛りのせいだ」と意識させると、訛りが軽い場合は差を補正できた。
ただし、訛りが強い場合は補正できなかった。また、話し手は母語話者が用意した文を読み上げていただけだった。
そのため著者たちは、外国人へのステレオタイプが原因ではない、と述べている。ステレオタイプとは、「○○人はこうだ」という決めつけのことだ。
この実験の条件も押さえておく。
- 課題は雑学の文が本当かどうかを判断するもので、仕事の会話ではない
- 話し手は自分の意見ではなく、他人が用意した文を読み上げていた
- 論文の要旨には、参加者の人数や国籍、差の大きさの数値は書かれていない
だから、この実験から「訛りがあると仕事で信用されない」とまでは言えない。
言えるのは、「特定の条件で、訛りのある読み上げの文が本当らしく思われにくかった」というところまでだ。
ここまでのまとめ: 訛りのある話し手の雑学の文が、本当らしく思われにくかった実験がある。ただし読み上げ・雑学の真偽という限られた条件での結果だ。
同じ結果は何度も出るのか: やり直した研究では割れた

追試って何ですか? 1 回の実験じゃダメなんですか?

別の人たちで同じ実験をやり直すことです。くじを別の店で引き直す感じですね。スイスの研究では、訛りの影響は見られませんでした。
科学では、1 回の実験だけで結論を決めない。
別の人たち・別の場所で似た実験をやり直し、同じ結果が出るかを確かめる。これを「再現」や「追試」と呼ぶ。
1 回当たったくじが本当に当たりやすいのか、別の店でもう一度引いて確かめるようなものだ。
Lev-Ari と Keysar の実験には、やり直した研究 (追試) がある。ここでは 2 本を紹介する。
1 本目は、Stocker の 2017 年の研究だ。同じ問いを、いくつもの言葉が話されているスイスで確かめた研究である。
フランス語を話す 194 人と、スイスドイツ語を話す 183 人がオンライン調査に答えた。4 つの言語の訛りのある話し手が録音した 48 個の雑学の文が、本当かどうかを判断した。
別の課題では、聞き手が言語グループごとに「信用できそうか」の思い込みを持っていることも分かった。
それでも、スイスの状況では、外国語の訛りは本当らしさの評価に影響しなかったようだ、という結果だった。
2 本目は、Hanzlíková と Skarnitzl の 2017 年の研究だ。聞き手を、英語を母語としない人に変えてやり直した研究である。
元の研究と同じ文のセットを英語の母語話者 6 人と非母語話者 6 人が録音し、英語の非母語話者 121 人が文の本当らしさを 7 段階で採点した。
結果は、非母語話者の聞き手でも、非母語話者の話し手に不利な偏りが「暫定的に」見られた、というものだった。
「暫定的に」とは、「たぶんありそうだが、まだ言い切れない」という控えめな言い方だ。
つまり、影響が出なかった研究も、弱く出た研究もある。しかもどちらも、スイスの多言語の環境や非母語話者の聞き手で確かめたもので、元の実験をそのまま繰り返したものではない。
だから「訛りで信用が下がる」は確定した事実ではなく、条件によって出たり出なかったりする話だと受け取るのが冷静だ。
ここまでのまとめ: やり直した研究では、影響が見られなかった研究と、暫定的に見られた研究がある。「訛りで信用が下がる」はまだ確定していない。
聞き手の耳は、思ったより早く訛りに慣れる

相手が僕の訛りに慣れるまで、時間かかりますよね…

意外と早いんです。ある実験では、訛りのある英語を聞くときの遅れが 1 分以内に小さくなりました。早口の人に耳が追いつく感じです。
Clarke と Garrett の 2004 年の実験を見てみよう。訛りのある英語に、聞き手がどれくらい速く慣れるかを測った実験である。
英語を母語とする聞き手が非母語話者の英語の文を聞き、各文の後に単語が出て、それにどれだけ速く反応できるかで、頭の処理の速さを測った。
これは反応時間を使う方法だ。合図が出てからボタンを押すまでの時間で、短いほど楽に処理できていると考える。
使われたのはスペイン語訛りと中国語訛りの英語で、3 つの実験が行われた。訛りのある発話の処理は、はじめは母語話者の発話より遅かった。
しかしその遅れは、聞き始めて 1 分以内に小さくなった。
さらに、文 2〜4 個ぶんほどの短い発話で慣れが起こりうることも示唆された。
知らない人の早口も、最初の 1 分ほどで耳が追いつく。それに近いことが実験で確かめられたわけだ。
Bradlow と Bent の 2008 年の実験も、同じ方向の結果を示している。慣れが、話し手 1 人を超えて広がるかを調べた実験である。
英語を母語とする聞き手が、中国語訛りの英語を聞き取る正確さを調べた。同じ話し手の英語を聞き続けると、聞き手はその訛りに慣れ、聞き取りが良くなった。
ただし、慣れの速さや程度は、話し手の元々の聞き取られやすさによってばらついた。さらに、複数の中国語訛りの話し手で練習した聞き手は、初めて聞く話し手にも慣れを広げられた。
何人かの関西の人と話していると、初対面の関西の人の言葉もスッと入ってくる。それと似ている。
ただし日本語訛りは調べられておらず、同じ速さで慣れるかは言えない。それでも、聞き手の耳は聞くうちに変わるものだという点は、2 つの研究で共通している。
ここまでのまとめ: 英語母語の聞き手は、訛りのある英語に短い時間で慣れた。ただし調べられたのはスペイン語訛りと中国語訛りだ。
耳が慣れると、話を信じにくい気持ちも和らぐ
「本当らしさ」の話と「慣れ」の話を、1 つにつなげた研究がある。
Boduch-Grabka と Lev-Ari の 2021 年の研究だ。訛りに慣れさせると、話を信じる気持ちが変わるかを調べた研究である。
この研究の前提は、人は処理しやすいものほど信じやすい、という考え方だ。
外国語訛りの発話は比較的処理しにくいので、先行研究では信じられにくかった。この研究では、外国語の訛りを短時間聞かせておくと、この偏り (バイアス) が小さくなった。
バイアスとは、判断が一方に傾くクセのことだ。少し傾いた机に置いたボールが、いつも同じ側へ転がるようなものである。
偏りが小さくなったのは、その訛りを聞き取る処理が上達したためだった。
著者たちは、外国語の訛りに触れる機会を確保することが、非母語話者への差別を減らしうると示唆している。
なお、要旨には参加者の国籍や人数、どの訛りか、聞かせた時間の数値は書かれていない。
ここからは研究から考えられることで、直接確かめられたことではない。会議で黙ってしまうと、相手はあなたの訛りに慣れる機会を持てない。
話す量が増えれば、相手の耳は慣れていき、聞き取りの手間も減っていく可能性がある。
ここまでのまとめ: 訛りを短時間聞かせると、訛りによる「信じにくさ」の偏りが小さくなった。慣れは聞き取りだけでなく、信頼にも関わっている。
訛りへの偏見はある? 話す側の気持ちとの関係

やっぱり訛りへの偏見って、あるんですか?

まったく無いとは言えません。アメリカの研究では、訛りのある人は「うまく伝わらない」感覚を通じて、居場所の感覚が下がっていました。
Gluszek と Dovidio の 2010 年の総説がある。総説とは、あるテーマの研究を集めて整理した論文で、図書館の本を棚ごとに分ける作業に近い。
この総説は、非母語の訛りの研究を、話し手と聞き手の両方の立場から整理している。著者たちは訛りを、スティグマの 1 つとして扱っている。
スティグマとは、本人の中身と関係なく、目立つ特徴だけで周りから低く見られやすい「しるし」のようなものだ。
そのうえで、訛りは他の種類のスティグマとは性質が違う、と論じている。
偏見を減らす働きかけにつながりうる枠組みも提案している。
偏見がまったく無いとは言えない。一方で、その強さや起こる頻度の数値は、総説の要旨には書かれていない。
同じ著者たちは、アメリカで訛りのある話し手の側の経験も調べている。
研究 1 では、非母語の訛りがある人は 2 つの面を経験していた。1 つは「偏見を受けるだろう」という予想、もう 1 つは「うまく伝わらない」というコミュニケーションの問題だ。
研究 2 では、非母語の訛りで話すことが、アメリカでの居場所の感覚の低さと関係していた。
居場所の感覚とは、教室で「自分もこのクラスの一員だ」と思えるような気持ちのことだ。
国内の地域の訛りとは違う結果で、その差は「うまく伝わらない」と感じることを通じて生じていた。
伝わらない経験は居場所の感覚を弱めやすい。だが黙ってしまえば、「伝わった」という経験も積めない。
話すこと自体が怖い気持ちの扱い方は、英語を話すのが怖い理由を外国語不安の研究で解説した記事にまとめている。ここでは訛りの話に絞る。
ここまでのまとめ: 訛りをスティグマとして整理した総説がある。訛りのある話し手は、「伝わらない」感覚を通じて居場所の感覚が下がっていた。
目標を「ネイティブ並み」から「伝わる」へ置き直す
最後に、Levis の 2005 年の論文を見る。発音を教えるときの目標の立て方を整理した論文である。
英語教育での発音の扱いは歴史的に極端で、最重視する教え方も、ほとんど扱わない教え方もあった。
前者の例がオーディオリンガル法で、例文を何度も聞いてまねるドリル中心の教え方だ。
後者の例が初期のコミュニカティブ・アプローチで、会話のやり取りを中心にした教え方である。
著者は、発音の重要性は研究よりも考え方や直感で決められてきた面が大きい、と指摘している。
そして、発音の研究と指導は、相反する 2 つの原則に影響されてきたと整理している。
- ネイティブらしさの原則 (nativeness principle): 母語話者そっくりの発音を目指す考え方
- 伝わりやすさの原則 (intelligibility principle): 相手に伝わる発音を目指す考え方
サッカーで言えば、「プロと同じフォーム」を目指すか、「ゴールに入るシュート」を目指すかの違いだ。
ここまでの研究を並べると、次のように考えられる。研究から導いた見立てで、1 つの研究で直接確かめたものではない。
- 訛りがあることと、伝わらないことは別の話だ
- 直すなら、伝わりにくさにつながる部分を優先する方が近道になりうる
- 恥ずかしさで黙るより、話して相手の耳に慣れてもらう方が研究の見立てに合う
大人の発音をどう伸ばすかは、大人の英語発音を「通じる発音」として研究で組み立てる記事で扱っている。
ここまでのまとめ: 発音の目標には「ネイティブらしさ」と「伝わりやすさ」の 2 つの考え方がある。訛りを消すことだけが目標ではない。
音声入力に通じなかったら、人にも通じないのか

スマホの音声入力に通じないと、正直へこみますよ

わかります。でも台湾の学習者の研究では、機械と人の聞き取りが連動したのは一部の話し手だけでした。機械の結果がそのまま人の耳ではないんです。
人の聞き手は訛りのある英語に短い時間で慣れていく。では機械はどうか。音声認識は、話した声を機械が自動で文字にする技術で、スマホの音声入力がその例だ。うまく文字にされないと、落ち込みやすい。
Inceoglu らの 2023 年の研究は、機械と人の聞き取りを同じ英語で比べた。台湾の中級の英語学習者 4 人が、似た母音の区別を含む単語 48 個と短い文 24 個を音声認識に向けて話した。同じ発話を英語母語の聞き手 12 人も書き取った。聞き取れた割合は、単語で機械 40.81%・人 38.62%、文で機械 75.52%・人 83.88% だった。誤りの種類も似ていた。しかし話し手ごとに見ると、機械と人の判断が連動したのは一部の話し手だけだった。平均は近くても、1 人ずつではばらばらだ。話し手が 4 人と少ない点にも注意がいる。2000 年の研究では、当時の市販ソフトは理想的な条件でも学習者の英語を十分に認識できなかった。今の性能を表すものではない点は注意したい。
では、機械の結果を「人に通じるか」の物差しにしてよいのか。研究を見る限り、機械と人の聞き取りは話し手ごとには一致しないことがある。人の耳が慣れていく点を機械と比べた研究や、日本人の英語で両者を比べた研究は、まだ少ない。機械が聞き取れなかったことを、そのまま「人に通じない」と読み替えてよいかは、まだ確かめられていない問いだ。
よくある質問
Q1. 日本人っぽい訛りがあると、仕事で信用されませんか?
A. そうとは言い切れません。訛りのある読み上げの文が本当らしく思われにくかった実験はありますが、やり直した研究では影響が見られなかったものもあります。結果はまだ揃っておらず、調べられたのも雑学の文の真偽という課題です。
Q2. カタカナっぽい英語でも通じますか?
A. 訛りが強いと採点されても、中身は聞き取れていた例が多かったと報告されています。ただし対象は中国語を母語とする話し手で、日本人の英語ではありません。
Q3. 相手は日本人の訛りに慣れてくれますか?
A. 英語母語の聞き手が、スペイン語訛りや中国語訛りの英語に 1 分以内で慣れ始めた実験があります。日本語訛りは調べられていないため、同じ速さで慣れるかは分かっていません。
Q4. ネイティブのような発音を目指さないとだめですか?
A. 発音の研究と指導には、母語話者らしさを目指す原則と、伝わりやすさを目指す原則の 2 つがあると整理されています。どちらを目標にするかは、英語を使う目的に合わせて考えられます。
Q5. 音声入力で英語が正しく文字にならないと、人にも通じませんか?
A. そうとは限りません。機械と人の聞き取りを比べた研究では、平均は近くても、話し手ごとに連動していたのは一部だけでした。機械の結果を「人に通じるか」の判定として使えるかは、まだ確かめられていません。
まとめ
- 訛りの強さと伝わりやすさは、研究では別々に測られる。訛りが強くても聞き取れていた例は多い
- 訛りのある読み上げの文が本当らしく思われにくかった実験はあるが、やり直した研究では結果が割れている
- 聞き手の耳は、訛りのある英語に短い時間で慣れていく。慣れると「信じにくさ」の偏りも小さくなった
- 発音の目標には「ネイティブらしさ」と「伝わりやすさ」の 2 つの考え方がある
- 研究の見立てからは、恥ずかしさで黙るより、話して相手に慣れてもらう方が理にかなう
参考文献
- Munro, M. J., & Derwing, T. M. (1995). Foreign accent, comprehensibility, and intelligibility in the speech of second language learners. Language Learning, 45(1), 73-97. https://doi.org/10.1111/j.1467-1770.1995.tb00963.x
- Lev-Ari, S., & Keysar, B. (2010). Why don’t we believe non-native speakers? The influence of accent on credibility. Journal of Experimental Social Psychology, 46(6), 1093-1096. https://doi.org/10.1016/j.jesp.2010.05.025
- Stocker, L. (2017). The impact of foreign accent on credibility: An analysis of cognitive statement ratings in a Swiss context. Journal of Psycholinguistic Research, 46(3), 617-628. https://doi.org/10.1007/s10936-016-9455-x
- Hanzlíková, D., & Skarnitzl, R. (2017). Credibility of native and non-native speakers of English revisited: Do non-native listeners feel the same? Research in Language, 15(3), 285-298. https://doi.org/10.1515/rela-2017-0016
- Boduch-Grabka, K., & Lev-Ari, S. (2021). Exposing individuals to foreign accent increases their trust in what nonnative speakers say. Cognitive Science, 45(11), e13064. https://doi.org/10.1111/cogs.13064
- Clarke, C. M., & Garrett, M. F. (2004). Rapid adaptation to foreign-accented English. The Journal of the Acoustical Society of America, 116(6), 3647-3658. https://doi.org/10.1121/1.1815131
- Bradlow, A. R., & Bent, T. (2008). Perceptual adaptation to non-native speech. Cognition, 106(2), 707-729. https://doi.org/10.1016/j.cognition.2007.04.005
- Gluszek, A., & Dovidio, J. F. (2010). The way they speak: A social psychological perspective on the stigma of nonnative accents in communication. Personality and Social Psychology Review, 14(2), 214-237. https://doi.org/10.1177/1088868309359288
- Gluszek, A., & Dovidio, J. F. (2010). Speaking with a nonnative accent: Perceptions of bias, communication difficulties, and belonging in the United States. Journal of Language and Social Psychology, 29(2), 224-234. https://doi.org/10.1177/0261927X09359590
- Levis, J. M. (2005). Changing contexts and shifting paradigms in pronunciation teaching. TESOL Quarterly, 39(3), 369. https://doi.org/10.2307/3588485
- Inceoglu, S., Chen, W.-H., & Lim, H. (2023). Assessment of L2 intelligibility: Comparing L1 listeners and automatic speech recognition. ReCALL, 35(1), 89-104. https://doi.org/10.1017/S0958344022000192
- Derwing, T. M., Munro, M. J., & Carbonaro, M. (2000). Does popular speech recognition software work with ESL speech? TESOL Quarterly, 34(3), 592-603. https://doi.org/10.2307/3587748
最終更新日: 2026-11-01
著者: 中村 拓(Taku Nakamura)(greencafe 編集部 編集責任者・非ネイティブ話者)。公開された 12 件の研究エビデンス(tier 1=12 / tier 2=0)を横断分析・再構成した。
画像: いらすとや (https://www.irasutoya.com/) より
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