英単語を覚えたあとの休憩はムダ?|「何もしない数分」と記憶の研究

英単語を覚えたあとに休むのって、時間のムダですか?

気持ちはわかります。実は記憶の研究では「覚えた直後の数分をどう過ごすか」そのものが調べられてきたテーマで、答えは単純ではないんですよ。

僕、アプリで次々詰め込んでも、翌週には忘れてるんですよね…

多くの人がそうです。研究では、覚えた記憶が長く残る形に変わるまで少し時間がかかると考えられていて、その間の過ごし方が注目されています。

でも「休めば覚えられる」なんて、うまい話すぎませんか?

その疑い方は大事です。研究には効果が出たものと差が出なかったものの両方があるので、この記事では両方を並べ、どこまで言えるかを線引きします。

じゃあ結局、僕は何から試せばいいんですか?

この記事では物語・単語・指の動き・スマホの研究を順番に見ていきます。最後に、研究の条件に近い試し方を一緒に整理しましょう。
結論: 記憶の研究では、覚えた直後に数分ぼんやり休むと、記憶が残りやすくなる実験が報告されている。37 本の研究のまとめでも効果は見られた。ただし第二言語 (母語ではない言葉) の物語を使った研究では差が出ず、健康な若い大人では差が出ない研究も多い。「休めば必ず覚えられる」とは言えない。比較的確かなのは、覚えた直後に次の単語を詰め込むと記憶が弱まった、という点だ。
この記事でわかること
- 覚えた直後に「何もしない」と記憶が残った、という実験の中身
- 母語ではない言葉の物語や若い大人では差が出なかった研究があること
- 休み時間に脳の中で起きていると考えられていること
- 休憩中のスマホについて、研究で言えること・言えないこと
「休憩はムダ」は本当か|詰め込んだのに忘れる理由
通勤電車で英単語アプリを開き、1 つ覚えたらすぐ次の単語に進む。
区切りがついたら、そのまま SNS を見る。
それなのに、翌週にはかなり忘れていることがあります。
記憶の研究では、ここで別の問いが調べられてきました。
それは「覚えた直後の数分をどう過ごすかで、記憶の残り方は変わるのか」という問いです。
2012 年に心理学の専門誌に載った実験では、覚えた直後の 10 分の過ごし方で 1 週間後の記憶が変わりました。
すき間時間の使い方そのものは、スキマ時間の英語学習を分散学習と想起練習の研究で見た記事で扱っています。
この記事が見るのは、覚え終わった直後の短い空白の時間です。
先に言っておくと、答えは「休めば必ず残る」ではありません。
効果が出た研究と、差が出なかった研究の両方があります。
両方を並べて、どこまで言えるかを線引きします。
ここまでのまとめ: 研究では「覚えた直後の数分の過ごし方」が記憶に関わるかが調べられてきた。結果は一方向ではないので、効果が出た研究と出なかった研究を両方見る。
覚えた直後に 10 分休むと、1 週間後も覚えていた

「何もしないで休む」って、昼寝とは違うんですか?

いい質問です。目は覚めたまま、新しい情報を入れずにぼんやりする時間のことです。2012 年の実験では、物語の後にこう休むと 7 日後まで多く思い出せました。
この話の出発点は、2012 年に心理学の専門誌に載った実験です。
中心になった研究者の名前から、デュワーらの実験 (= 休憩と記憶を 1 週間後まで比べた実験) と呼ばれます。
参加者は 2 つの物語を聞きました。
一方の物語の後は、10 分間「起きたまま何もしないで休む」時間をとりました。
もう一方の物語の後は、10 分間「間違い探しゲーム」をしました。
同じ人が両方を体験する設計なので、記憶力の個人差は比べる上で問題になりにくいです。
この「起きたまま何もしないで休むこと」を、研究では wakeful rest と呼びます。
言い換えると、目は覚めたまま、頭に新しい情報を入れずにぼんやりする時間です。
結果は、休んだ側の物語の方が、15-30 分後にも 7 日後にも多く思い出せました。
別の実験では、途中で思い出すテストを挟まなくても、7 日後に差が見られました。
研究チームはこれを、記憶の固定 (consolidation) で説明しています。
記憶の固定とは、覚えたばかりの記憶が、時間をかけて長く残る形に変わっていくことです。
書いたばかりのインクに、すぐ別の紙を重ねずに、少し乾かす時間をあげるようなものです。
ただし注意点があります。
この実験の材料は物語 (文章) で、英単語ではありません。
参加者の人数や効果の大きさは、論文の要旨 (= 論文の最初にある短いまとめ) には書かれていません。
ここまでのまとめ: 物語を覚えた直後に 10 分ぼんやり休むと、間違い探しをした場合より 7 日後まで多く思い出せた実験がある。ただし材料は英単語ではなく物語だった。
母語ではない言葉の物語で確かめたら、差は出なかった

えっ、英語みたいな第二言語だと効かなかったんですか?

少なくともこの研究では、第二言語の物語を覚えた後に 8 分休んでも、7 日後の記憶は良くなりませんでした。英語で効くかは、まだ確かめられていない段階です。
では、英語のような第二言語 (= 母語の次に学ぶ言葉) の材料ではどうでしょうか。
ある研究チームが、まさにこの問いを調べました。
参加者は第二言語で書かれた物語を学び、すぐに母語で思い出しました。
その後、8 分間休むか、別の作業をしました。
別の作業は 2 種類ありました。
1 つ目の実験は間違い探し (目を使う作業) です。
2 つ目の実験は新聞記事を読む作業 (言葉を使う作業) でした。
そして 7 日後に、予告なしで物語を思い出すテストをしました。
結果は、7 日後の記憶は短い休憩で良くなりませんでした。
作業の種類を変えても、休憩の効果は確認されませんでした。
「体に良い」と言われた運動を別の場面で試したら、今回は差が見えなかった、という報告です。
この研究は若い大人を対象にしたものです。
つまり「英語を覚えたら休めば残る」と、そのまま当てはめる根拠にはなりません。
少なくとも第二言語の材料では、効果が確かめられたとは言えない状態です。
単語が抜けていく仕組みそのものは、英単語がすぐ抜ける理由を脳の忘れ方から解いた記事で扱っています。
休憩は、そうした覚え方の工夫に置き換わるものではありません。
ここまでのまとめ: 第二言語の物語を覚えた後に 8 分休んでも、7 日後の記憶は良くならなかった研究がある。英語学習で「休めば残る」とはまだ言えない。
たくさんの研究をまとめると|効く人と効きにくい人がいる

「g=0.448」って言われても、ピンと来なくて…

気持ちはわかります。37 本の研究をまとめた数字で、クラスの平均点が少し上がるくらいの中くらいの強さです。ただし若い人では効果が小さめでした。
1 つの実験だけでは、たまたまかもしれません。
そこで役に立つのがメタ分析です。
メタ分析とは、世界中の似た研究を集めて、全体としての傾向を計算し直す方法です。
2025 年のメタ分析は、37 本の研究 (63 の実験) をまとめました。
その結果、覚えた後に静かに休むと、記憶の固定に効果がありました。
効果の大きさは g=0.448 です。
g は差の大きさを表す数字で、0.45 は「クラスの平均点が少し上がる」くらいの中くらいの強さです。
7 日後でも効果は残り、g=0.270 でした。これは直後の 0.45 より小さめの差です。
また、年上の人ほど効果が大きく、若い人では小さめでした。
選択肢から選ぶテストより、自分で思い出して答えるテストの方が、効果がはっきり出ました。
一方、2026 年の別のメタ分析は、51 本の研究から 142 個の結果を合わせました。
こちらは「よく効くと思われがちだが、健康な若い大人では差が出なかった研究が多い」と書いています。
記憶に障害のある人では、健康な人より効果が大きかったそうです。
よく効く薬だと思われていたのに、試験をまとめ直すと人によって効き方がだいぶ違った、というイメージです。
年齢の差は、1 つの実験でも見られています。
若い人と年上の人が単語リストを覚え、8 分休むか、図形パズルを解きました。
全体では、休憩の後の方が記憶がよく残りました。
ただ詳しく見ると、効果がはっきりしていたのは年上のグループでした。
若いグループは、休んでもパズルをしても、ほぼ同じ量を覚えていました。
なお、この年齢差の実験のテストは同じ日の最後に行われました。
何日もたった後の記憶を見たものではない点に注意が必要です。
ここまでのまとめ: 研究をまとめると休憩の効果は見られるが、強さは人によって違う。年上の人では出やすく、健康な若い大人では差が出ない研究も多い。
なぜ休むと残りやすいのか|脳は休み時間に記憶を整理している

覚えた直後に次の単語を覚えるのって、ダメなんですか?

2025 年の実験では、別の単語を追加で覚えると記憶のしまい込みが弱まりました。引き出しに服を次々押し込むと、最初の服が収まらないイメージです。
では、効果が出る場合、休憩中に何が起きているのでしょうか。
2022 年に、起きている間の休憩と記憶をまとめた総説 (= 研究の流れを専門家が整理した論文) が出ています。
この総説によると、人は起きている時間の約半分を、ぼんやりした状態で過ごしています。
こうした時間はムダと見られがちですが、総説は新しくできた記憶の固定を助けうる時間だとしています。
脳は休み時間に、今日撮った写真をこっそりアルバムに整理し直している、というイメージです。
総説は、休憩中に新しい記憶が脳の中でもう一度再生される可能性を挙げています。
これを reactivation (= 覚えた内容を、脳が裏でもう一度なぞること) と呼びます。
ただし、どこまで睡眠に近いかは、まだ推測を含む段階です。
脳を撮った研究もあります。
fMRI (= 脳のどこで血の流れが増えたかを撮る装置) で、覚える課題の後の休憩中の脳を調べました。
すると、後でよく思い出せた課題の後の休憩では、2 つの部分の連動が強まっていました。
その 2 つとは、海馬 (= 記憶の入口の役目をする部分) と、目で見たものを扱う部分です。
よく思い出せなかった課題の後では、この強まりは見られませんでした。
休憩中も、記憶の入口と画像の担当が電話で連絡を取り合っているようなものです。
その通話が多い人ほど、後でよく覚えていました。
逆の側からも考えてみます。
覚えた直後の記憶は、まだ固まりきっていない状態です。
そこへすぐ別の新しい情報が入ると、前の記憶がじゃまされやすくなります。
心理学ではこれを「干渉 (かんしょう)」と呼びます。
あとから来た情報が、前の記憶の上に重なってかすれさせる、というイメージです。
2025 年の実験では、単語を覚えた後に別の単語を追加で覚えると、記憶の「しまい込み」が弱まりました。
引き出しに服をしまっている途中に別の服を次々押し込むと、最初の服がうまく収まらない、という状態です。
ここまでのまとめ: 休憩中、脳は覚えた内容を裏でなぞり、記憶を固めている可能性がある。逆に、覚えた直後に新しい単語を詰め込むと、記憶のしまい込みが弱まった実験がある。
指の動きの練習でも見つかった「休み中の上達」
休憩の研究は、指の動きのような体で覚えるスキルでも行われています。
ただし、ここから先は英単語の話ではありません。
2019 年の研究は、指で決まった手順を打つ練習を、秒単位で細かく調べました。
短い練習と短い休みを交互にくり返す形です。
すると、練習している最中には成績はあまり変わりませんでした。
上達の多くは、休んでいる数秒の間に起きていました。
ピアノの練習で、弾いている最中より、手を止めた数秒の間に指が「覚える」ことがある、という発見です。
この休み中の上達は、練習の初めの方で特に目立ちました。
脳の活動を測る装置でも、休み中の上達を予測する脳の動きが見つかっています。
2018 年の研究では、キーボードで決まった順番を打つ練習の後、15 分間目を閉じて休んでもらいました。
比べたのは、同じ時間に別の作業をした場合です。
すると、目を閉じて休んだ方が、すぐ後の成績が良くなりました。
ところが、4 時間後にテストしたグループでは、休憩の効果は見られませんでした。
タイピング練習の後に 15 分目を閉じると、すぐ後の腕前は上がったが、4 時間後には差が消えていた、という結果です。
どちらも、指の動きのスキルの研究です。
英単語を覚えるときにも同じことが起きる、とは言えません。
「休み時間にも脳は働いている」という考えを支える、別分野の材料です。
ここまでのまとめ: 指の動きの練習では、休んでいる数秒や目を閉じた 15 分に上達が起きた研究がある。ただし効果は早い段階に限られ、英単語にそのまま当てはめることはできない。
休憩中のスマホは悪者か|結論が分かれた 2 つの研究

休憩中にスマホを見たら、やっぱり忘れちゃいますか?

そうとは言い切れません。SNS が不利だった研究と差がなかった研究があり、結論が割れています。より確かなのは、直後に次の単語を詰め込まないことです。
気になるのが、休憩中のスマホです。
実は、覚えた直後の SNS と休憩を直接比べた研究が 2 つあり、結論が分かれています。
1 つ目の 2020 年の研究では、若い大人が単語リストを覚えた後、8 分間休むか、8 分間 SNS を使いました。
その結果、直後のテストでも 1 日後のテストでも、SNS の方が成績が悪かったのです。
研究チームは、SNS が単語の記憶の固定をじゃました可能性を挙げています。
2 つ目の 2025 年の研究では、2 つの実験で同じような比較をしました。
ところが、休憩と SNS の間に記憶の差は見つかりませんでした。
一方で、別の単語を追加で覚えた条件では、記憶のしまい込みがはっきり弱まりました。
この 2 つを並べると、「スマホを見ると忘れる」とは言い切れません。
SNS を使った研究は、まだ 2 本で結果が割れているからです。
むしろ確かに言えそうなのは、「覚えた直後に、すぐ次の単語を詰め込む」方がじゃまになりうる、という点です。
これを裏づける別の研究もあります。
6 つの実験 (合計 176 人) で、覚えた後の静かな休憩と、「2 つ前に出た数字を答え続ける」ような脳トレを比べました。
この脳トレは n-back 課題と呼ばれます。
頭は疲れますが、言葉の意味はほとんど使いません。
その結果、休憩と n-back の間に、記憶の差は見つかりませんでした。
研究チームは、静かな休憩は記憶の固定に必須ではない、と結論づけています。
意味をほとんど含まない作業なら、頭を使っても記憶をじゃましないということです。
裏返すと、じゃまになりうるのは「意味のある情報」を処理する作業だと考えられます。
新しい単語や文章が、まさにそれに当たります。
ここまでのまとめ: 覚えた直後の SNS と休憩を比べた研究は 2 本あり、結論が割れている。より確かなのは、すぐ次の単語を詰め込むと記憶が弱まりうる、という点だ。
明日からの試し方|「直後の数分」を空けてみる
ここまでの研究を、試し方に落としてみます。
ただし、どれも英単語学習で確かめられた方法ではありません。
「研究で比べた条件に近い形を、自分で試してみる」という位置づけです。
1. 覚え終わった直後の数分は、新しい単語を入れない
いちばん研究と合うのはこれです。
単語アプリで 1 セットを終えたら、すぐ次のセットに進まず、少し間を空けます。
新しい単語を詰め込むと記憶のしまい込みが弱まった、という結果に沿った工夫です。
2. 目を閉じて、ぼんやりしてみる
物語の実験では、10 分のぼんやりした休憩の後に記憶がよく残りました。
まずは電車で 1-2 駅のあいだ目を閉じる、くらいから試せます。
ただし第二言語の材料では差が出なかったので、効かなくても自分を責める必要はありません。
3. 休憩中にするなら、意味の少ないことを選ぶ
意味をほとんど含まない作業は、記憶をじゃましなかった研究があります。
窓の外を眺める、軽く体を伸ばす、といった過ごし方が研究の条件に近いと考えられます。
4. スマホは「禁止」ではなく「後回し」くらいに
SNS が不利だった研究と、差がなかった研究があります。
なので、スマホを完全にやめる必要があるとは言えません。
迷うなら、覚えた直後の数分だけ画面を見ず、その後に見る順番にしてみましょう。
また、年上の人ほど休憩の効果が出やすいという結果もあります。
この結果に沿うと、年齢が上がるほど試す価値はありそうです。
20 代で差を感じなくても、研究と矛盾はしません。
起きている間の休憩と、夜の睡眠は別の話です。
寝る前に覚えて朝に思い出す順番については、寝る前の英単語は覚えやすいのかを睡眠の研究で確かめた記事にまとめています。
ここまでのまとめ: 試しやすいのは、覚えた直後の数分に新しい単語を入れないこと。目を閉じて休むのも一案だが、第二言語の材料で効果が確かめられたわけではない。
学習アプリや AI 相手の練習で「直後の空白」は作れるか
AI 英会話や学習アプリは、1 問終わるとすぐ次の問題が出る作りになっていることがあります。
では、研究が示した条件を、アプリや AI 相手の練習で満たせるのでしょうか。
研究で記憶のじゃまになりえたのは、覚えた直後に意味のある新しい情報を詰め込むことでした。
この条件で考えると、区切りなく次々と単語や会話が流れてくる使い方は、研究の条件と合わない可能性があります。
反対に、1 セットごとに自分で手を止めて数分空ければ、研究の条件に近づけられます。
つまり、道具そのものより「区切りをどこで作るか」が問いになります。
ただし、AI 英会話や学習アプリを使う途中に休憩を挟むと記憶が残るのかを、直接確かめた研究はまだ少ないのが現状です。
この点を直接調べた研究は、今回集めた範囲では見当たりません。
なので「AI が休むタイミングを教えてくれれば記憶が伸びる」とも、「アプリを続けて使うと記憶が壊れる」とも言えません。
ここまでのまとめ: アプリや AI 相手の練習でも、自分で区切りを作れば研究の条件に近づけられる。ただし、その効果を直接確かめた研究はまだ少ない。
よくある質問
Q1. 英単語を覚えたあと、休憩するのは時間のムダですか?
A. ムダとは言い切れません。物語を覚えた直後に 10 分休むと、7 日後まで多く思い出せた実験があります。ただし第二言語 (母語ではない言葉) の物語では差が出なかった研究もあり、必ず効くとも言えません。
Q2. 休憩は何分くらいとればいいですか?
A. 研究では 8 分や 10 分の休憩がよく使われています。ただ、37 本の研究のまとめでは、休憩の長さは効果にあまり影響しないようでした。まずは数分から試すのが現実的です。
Q3. 休憩中にスマホを見ると忘れてしまいますか?
A. そうとは言い切れません。SNS を使うと成績が悪かった研究と、休憩と差がなかった研究があり、結論が割れています。より確かなのは、覚えた直後に別の単語を詰め込むと記憶が弱まった、という点です。
Q4. 目を閉じたほうがいいですか?
A. 37 本の研究のまとめでは、目を開けるか閉じるかは効果にあまり影響しないようでした。どちらでも、休む間に新しい単語や情報を入れないことを試してみるとよいでしょう。
Q5. 若い人には効かないのですか?
A. 効かないとは言えませんが、効果は小さめです。研究のまとめでは、年上の人ほど効果が大きく、健康な若い大人では差が出なかった研究も多いと報告されています。
まとめ
覚えた直後に 10 分ぼんやり休むと、物語が 7 日後まで多く残った実験があります。
37 本の研究のまとめでも、休憩の効果は見られました。
一方、第二言語 (母語ではない言葉) の物語を使った研究では、7 日後の記憶に差が出ませんでした。
健康な若い大人では差が出ない研究も多く、年上の人ほど効果が出やすい傾向です。
休憩中のスマホは、研究の結論が割れていて「見ると忘れる」とは言えません。
より確かなのは、覚えた直後に次の単語を詰め込むと記憶が弱まりうる、という点です。
次に単語アプリを 1 セット終えたら、数分だけ次へ進まずに空けてみましょう。
参考文献
- Dewar, M., Alber, J., Butler, C., Cowan, N., & Della Sala, S. (2012). Brief wakeful resting boosts new memories over the long term. Psychological Science, 23(9), 955-960. https://doi.org/10.1177/0956797612441220
- Weng, L., Yu, J., Lv, Z., Yang, S., Jülich, S. T., & Lei, X. (2025). Effects of wakeful rest on memory consolidation: A systematic review and meta-analysis. Psychonomic Bulletin & Review, 32(5), 1937-1968. https://doi.org/10.3758/s13423-025-02665-x
- Parra, D., Zhang, Z., & Radvansky, G. A. (2026). Should we all just take 10? A meta-analysis of wakeful rest. Psychonomic Bulletin & Review, 33. https://doi.org/10.3758/s13423-025-02778-3
- Martini, M., Riedlsperger, B., Maran, T. K., & Sachse, P. (2020). The effect of post-learning wakeful rest on the retention of second language learning material over the long term. Current Psychology, 39, 299-306. https://doi.org/10.1007/s12144-017-9760-z
- Martini, M., Heinz, A., Hinterholzer, J., Martini, C. L., & Sachse, P. (2020). Effects of wakeful resting versus social media usage after learning on the retention of new memories. Applied Cognitive Psychology, 34(2), 551-558. https://doi.org/10.1002/acp.3641
- Quevedo Pütter, J., & Erdfelder, E. (2025). Waking rest during retention facilitates memory consolidation, but so does social media use. Scientific Reports, 15. https://doi.org/10.1038/s41598-025-88363-z
- Varma, S., Takashima, A., Krewinkel, S., van Kooten, M., Fu, L., Medendorp, W. P., Kessels, R. P. C., & Daselaar, S. M. (2017). Non-interfering effects of active post-encoding tasks on episodic memory consolidation in humans. Frontiers in Behavioral Neuroscience, 11, 54. https://doi.org/10.3389/fnbeh.2017.00054
- Martini, M., Zamarian, L., Sachse, P., Martini, C., & Delazer, M. (2019). Wakeful resting and memory retention: a study with healthy older and younger adults. Cognitive Processing, 20(1), 125-131. https://doi.org/10.1007/s10339-018-0891-4
- Wamsley, E. J. (2022). Offline memory consolidation during waking rest. Nature Reviews Psychology, 1, 441-453. https://doi.org/10.1038/s44159-022-00072-w
- Tambini, A., Ketz, N., & Davachi, L. (2010). Enhanced brain correlations during rest are related to memory for recent experiences. Neuron, 65(2), 280-290. https://doi.org/10.1016/j.neuron.2010.01.001
- Bönstrup, M., Iturrate, I., Thompson, R., Cruciani, G., Censor, N., & Cohen, L. G. (2019). A rapid form of offline consolidation in skill learning. Current Biology, 29(8), 1346-1351.e4. https://doi.org/10.1016/j.cub.2019.02.049
- Humiston, G. B., & Wamsley, E. J. (2018). A brief period of eyes-closed rest enhances motor skill consolidation. Neurobiology of Learning and Memory, 155, 1-6. https://doi.org/10.1016/j.nlm.2018.06.002
最終更新日: 2026-11-06
著者: 中村 拓(Taku Nakamura)(greencafe 編集部 編集責任者・非ネイティブ話者)。公開された 12 件の研究エビデンス(tier 1=12 / tier 2=0)を横断分析・再構成した。
画像: いらすとや (https://www.irasutoya.com/) より
この記事を編集した人
公開日: / 最終更新:


